大切な人からの手紙

かつての職場の上司から頂いた手紙を今でも時々読むことがあります。
当時、職場の上司との関係で悩み、心身ともにまいっていた頃、
その方は入社されました。

竹を割ったようなまっすぐな方で、すぐに周囲と打ち解け、私にもよく話しかけてくれました。
歳は10以上離れていたのですが、お互いに気が合い、その後はよく一緒にご飯を食べに行くようになりました。
私は相手に悩みを話すことはしないのですが、その方は私が今の上司と上手くいってないことに気付いていました。
会話の中で直接悩みについて話し合うことはありませんでしたが、その方はよく私のことを褒めてくださったのを覚えています。

「人となりも仕事ぶりも申し分ない。」と言ってくださって、照れながらもとても嬉しかったです。
私は口で直接伝えるより、手紙など文章で伝えることが多いのですが、その方はその逆で、手紙は全く書かないと言っていました。
せいぜい年に一度の年賀状くらいで、それも年賀状印刷を利用しているんだそうです。
毎年、年賀状印刷サイトの比較が楽しいと笑っていました。
「性格が正反対なのに気が合うのはおかしいね。」と笑い合える不思議な仲でもありました。
それから数ヶ月が過ぎ、何とその方が新しい上司になりました。
私もですが、周囲もその方のことを認めていたようです。

その方は職場ではもちろん節度を保って、でもプライベートではこれまで通り、ご飯を一緒に食べに行く日もありました。
いつの間にか、私は悩んでいた頃が嘘のように元気に仕事ができるようになりました。
その1年後、家の事情で私が退職することになり、その最終日にその方から花束と手紙を頂きました。
手紙は書かないと言っていたのに5、6枚もの便箋に
「あなたがいてくれたから私も頑張れた」
「一緒にいてくれてありがとう」
数えきれないほどの感謝の気持ちが詰め込まれていて涙が止まらなくなりました。

その方のおかげで今の私がいることを忘れずに、
精一杯生きようとその手紙を読んで改めて思いました。